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日本語教師体験談その3~海外で日本語教師ボランティア~

日本語教師Sさんのプロフィール

大学卒業後、代理店商社にて約2年間営業事務の仕事に従事。仕事をしながら日本語教師資格取得のための学習に励む。国内で日本語教師経験を積んだ後、ブラジルへ日本語教師ボランティアとして赴任。帰国後は国内の国際協力分野の仕事に携わり、現在新たなる活動に向けて奮闘中。(愛知県出身・30歳代・日本在住)

はじめに、Sさんが日本語教師を目指そうと思った動機や目的は何でしたか?

中学生の頃から外国や外国語に漠然と興味があって、高校生の時に日本語教師という職業を初めて知りました。その後、大学在学中に中国へ留学したときに日本語を教える機会を得て、外国語としての日本語や日本文化を伝えるということに対する興味が高まりました。本格的に日本語教師を目指そうと思ったのはその頃からでしたね。同時に、それまで欧米志向だったんですが、中国での経験を通して開発途上国に関心を持つようになりました。

Sさんの場合は、日本語教師になるためにどのように勉強しましたか?

当時は働いていたので、仕事をしながら勉強できることと経済的な理由から通信制講座を選びました。私が受講したのはアルクの通信制講座「NAFL日本語教師養成プログラム」です。当時は調べた限りでは、通信制講座を開設しているのはアルクだけだったので、他の通信制講座はオプションとしてなかったですね。

通信制で学んでみて、具体的にどんな点がよかったですか?

アルクの日本語通信講座の受講期間は基本的に12ヶ月だったのですが、1年延長することができ、終了まで合計2年間という猶予期間があったのが良かったです。

Sさんは日本語教師の勉強をしながら、ボランティア教室などで教えていましたか?

はい。私の場合は、市の国際交流協会が行っている日本語教室でボランティアをしていました。 合計2年間携わったのですが、1年目は中南米出身者の初級クラスを担当しました。2年目は日本語能力試験合格を目指している上級クラスで、韓国・中国・台湾出身の生徒に教えました。

日本語教師の学習中、どんなことが大変でしたか?また、どんなことが面白かったですか?

日本語教師になるには学習範囲・内容が多いことが大変でしたが、文法や語彙などを学ぶのは非常に面白かったです。今まで何気なく使っていた日本語を「言語学」や「外国語」としての視点で見ることができるようになって、自身の日本語の向上にも繋がったと思います。

Sさんは国内の日本語教室でボランティアとして教えた後、いつごろどのようにしてブラジルで教えることになったのですか?

JICA(国際協力機構)の日系社会青年ボランティアの試験に合格し、ブラジルで日系日本語学校の教師として赴任しました。期間は2003年から2年間で、日系人・非日系人の子供から大人までを対象として日本語を教えていました。

実際に日本語教師として働いて、「やっててよかった!」と感じるのはどんな時ですか?

やはり、生徒が日本語で一所懸命話し掛けてくれることや、日本、日本文化について興味を示してくれるところですね。

反対に、日本語教師をやっていて「大変…」と感じるのはどんな時ですか?

生徒を飽きさせないための授業をすることが大変でしたね。特に、子供の場合は学習目的が明確ではないことがほとんどなので、いかに学習目的を持たせ、学習意欲を維持させるかが大変でした。

最後に、今後も日本語教師の仕事をするとしたら、海外か日本国内かどちらで仕事がしたいですか?

海外で教えたいですね。学習用の教材が入手しやすい日本と異なり、海外の学習者は日本人である私を通して日本を知るので、責任が大きい一方でやりがいがあると思っています。特に生徒にとって貴重な存在となるので、自分自身を鼓舞することもできますしね。