日本語教師 資格を取得しよう

日本語教師の海外での働き方

■“海外で日本語教師”といってもいろいろ

(1)日本の公的機関による日本語教師海外派遣

JICA(国際協力機構)や国際交流基金などの公的機関が、定期的に海外各国に日本語教師を派遣しています。

JICAでは海外協力隊(青年海外協力隊から名称変更)、日系社会青年ボランティア、シニア海外ボランティアなどのボランティア派遣事業を通して、各国の教育機関に原則2年間海外に派遣されます。募集は年2回。派遣先での滞在費、住居費、交通費などが支給されます。派遣先は、東アジア、東南アジア、中央アジア、太洋州、中南米の開発途上国。求められる条件は一律で決まっているわけではなく、案件ごとに異なっています。日本語教授法+教授経験2年以上、という条件が多いですが、案件によっては教授経験がなくてもよい場合も。

国際交流基金では、各国の教育省や国際交流基金海外事務所などに、日本語教育指導助手や日本語教育ジュニア専門家などを派遣しています。募集は不定期。

(2)日本の民間機関による日本語教師の海外派遣

民間の日本語学校やインターン斡旋機関では、インターンとして日本語教師を海外に派遣するプログラムを実施しています。自身の経験を積むことを目的にプログラムに参加するので、基本的に参加費がかかります。参加する場合は、設定されている資格基準を満たしておく必要があります。参加費用は派遣地域や期間によって様々ですが、目安として10万円~70万円位。派遣先によっては英語力が求められる場合も。

インターンとは別に、アシスタント日本語教師として参加できるプログラムもあります。この場合、資格などは特に求められないため、実際は日本語教師として経験を積むというよりは、折り紙や料理など日本文化の紹介を行う国際交流活動の意味合いが大きくなります。

(3)日本の日本語学校による海外派遣

国内の日本語学校に採用された後、その学校直轄の海外校や、提携している海外の日本語教育機関に派遣される場合があります。国内で何年か経験を積んでから海外校へ派遣される場合もあれば、最初から海外校で勤務する場合もあります。

日本語教師の派遣は中国やベトナムをはじめとするアジア圏がほとんど。欧米の場合は、アジア圏に比べて、お金を払ってまで日本語学校に通いたいという人が少ないため、あまり需要はありません。求められる条件としては、日本語教師「有資格者」であることと、一定期間以上の実務経験です。

(4)海外の日本語教育機関で現地採用される

海外の日本語学校や大学の日本語科などで日本語教師を不定期に採用することがあります。このような教育機関では日本語のネイティブではない教師が日本語を教えていることが多いのですが、やはり日本人の日本語教師を何人か採用して、実際の発音や会話を使って、より効果的な授業を行おうとする学校もあります。

現地で募集することも多いですが、日本国内の日本語教師養成機関や大学を通じて募集を行っています。(3)の「日本採用→現地派遣」ではなく、「現地採用」という形なので、給料等待遇は現地の物価に合わせた金額になることがほとんどです。

(5)日本語教師養成講座の海外実習として

日本語教師養成講座実施校の中には、カリキュラムの中に海外実習を含んでいる学校もあります。「仕事」という位置づけではないですが、実習という形で海外の現場を経験できるのは大変貴重です。現地の日本語教育や学習者の様子も知ることができ、その後の自身の目標を具体的にしていくことができるでしょう。

なお、上記(1)~(5)のいずれも、現地の語学力を求められることはあまりありません。一部、英語圏で一定レベル以上の英会話力を要求されることがある程度です。